運行管理者試験

忙しい人のための運行管理者試験の効率的な勉強方法とは?

運行管理者試験の効率が良い勉強法を解説します。運行管理者試験は比較的簡単ではありますが、仕事をしながら受験する人が多いため合格率が高くならない傾向にあります。

運行管理者試験は資格試験よりも免許制の意味合いが強い資格です。早く簡単に合格する必要があります。そのため効率が良い勉強方法を紹介します。

運行管理者試験の全体像

最初に運行管理者試験の全体像を把握します。自分が今どの部分を勉強しているのかを知れば無駄な時間を短縮でき効率が良い勉強が可能となります。大まかな全体像を解説させていただきます。

運行管理者試験の項目は大きく分けて5つです。

  1. 道路運送法
  2. 道路運送車両法
  3. 道路交通法
  4. 労働基準法
  5. 実務上の知識及び能力

各項目の簡単な解説をします。

道路運送法とは

運行管理者試験のメインである道路運送法。運行管理者の仕事に関する項目です。

道路運送車両法とは

運行管理の仕事で車両に関する法律についての項目。車両の登録、検査、点検、保安部品についての内容です。

道路交通法とは

免許を取得するときに勉強した項目。一般車両の運転者も関係する法律ですので知らない人はいないでしょう。道路交通法の中で運行管理に関係する内容が出題されます。

労働基準法とは

運転者の勤務時間や乗務時間などに関する項目。労働基準法の中で運転者の労働時間に関係する部分から出題されます。

実務上の知識及び能力とは

運行管理者の業務に関する項目。道路運送法に準ずる内容ですので、道路運送法と似ていますが出題傾向は違います。運行管理の仕事に関係する内容から出題されると覚えてください。

全体像のまとめ

馴染みのある「道路交通法」「労働基準法」と運行管理の仕事に関する「道路運送法」「道路運送車両法」「実務上の知識及び能力」が試験内容になっているのです。

次は試験の合格点と配点を解説します。

運行管理者試験の合格点

運行管理者試験の勉強方法で重要なのが合格が目的であることです。決して間違っていけないのが勉強することが目的ではありません。そのためには合格点を把握し効率良い勉強方法をする必要があります。

合格点は30問中18問正解の60パーセントです。全問正解する必要はなく、他の受験者との比較で合格不合格が決まる試験ではありません。自分の知識が60パーセント以上であれば合格なのです。

各分野の出題数と合格点

次は各分野の出題数です。車両運送法などの分野によって問題数が決まっています。問題数にともない60パーセントとは別の合格基準も設定されていますので解説させていただきます。

各問題数に対して合格基準正解数があります。合格基準正解数とは分野にとって正解しなくてはならない問題数です。たとえば試験全体では18問正解でも道路運送法の正解数が0問だと不合格になります。

運行管理者試験の意向として偏った知識ではなく、全体的に覚えてほしいのです。

出題分野問題数合格基準正解数
道路運送法8問1問以上
道路運送車両法4問1問以上
道路交通法5問1問以上
労働基準法6問1問以上
実務上の知識及び能力7問2問以上

重要視する分野

資格試験では合格することが最終目的です。運行管理者試験では18問合格と各分野1問ないし2問正解することが具体的な目標となります。

テキストや問題集を開いて最初からまんべんなく勉強するのも手ではあります。しかし仕事をしながら試験勉強をしようとすれば疲れて寝てしまったとか、やる気が起きないなど学生の時のように時間が有り余っていることはありません。

運行管理者試験を効率よく合格するためには、優先順位をつけて勉強することが求められます。ここでは分野ごとの目標と優先順位について解説させていただきます。

各分野の優先順位は下記の順番がおすすめです。

  1. 道路運送法
  2. 実務上の知識及び能力
  3. 労働基準法
  4. 道路運送車両法
  5. 道路交通法

道路運送法が最重要

最需要視する分野は「道路運送法」です。問題配分も8問と一番多い問題数です。そのかわり範囲も広いので勉強する範囲も広いので時間がかかってしまいます。

しかし道路運送法をしっかり押さえて6問くらい正解すれば合格点までは近くなります。

実務上の知識及び能力は2問以上正解

その次は「実務上の知識及び能力」です。問題配分も7問と多く、合格基準正解数が2問となり運行管理者試験では重要とされている分野でもあります。

実務上の知識といっても基本知識だけで正解できる問題もあり、比較的新しい知識を覚える必要がないのも勉強しやすい分野です。

「実務上の知識及び能力」では5問正解を目指すようにしましょう。

労働基準法は常識の範囲で答えられる

問題配分が3番目に多い「労働基準法」を押さえておきます。労働基準法は一般的な常識でも答えれれるような範囲もあります。

労働時間の簡単な計算と常識で答えられますので社会人を経験していれば少し読んでおけば3問は正解できるでしょう。

道路運送車両法は簡単

「道路運送車両法」は問題や解答の内容が簡単な分野です。しかし全問正解しても4問ですので「道路運送法」の半分にしかなりません。

道路運送法をしっかり覚えて8問中6問正解と道路運送車両法を勉強して4問中4問正解では難易度が大きく違います。道路運送車両法はさらっと勉強して2点正解を狙いましょう。

道路交通法は捨て分野

道路交通法は免許取得や普段の生活や自動車運転をしていれば自然と知識が身についていく分野です。運行管理者試験に時間をかけられない人にとって一番捨てていい分野が道路交通法です。

しかし1問以上正解しないとけいませんので、基本知識とさっと過去問を読み直しておけば1問以上は正解することができます。今までの経験と知識、さっとテキストと過去問を読み直して2問の正解数を目指しましょう。

問題の形式を把握する

運行管理者試験の過去問を説いていると問題形式が数種類しかないことに気づきます。ひねった問題などはなく、基本的に過去問からの同一形式で出題されています。

テキストや法令を読み込む勉強方法でもいいのですが全体を網羅するには時間がかかり非効率です。運行管理者試験の問題形式を解説しますのでパターンを覚えてしまいましょう。

基本的に文章が「正しい」か「誤り」かが問われる

一番多い問題形式が法令などの文章が「正しい」か「誤り」かが問われるパターンです。下記の例題をご覧ください。

問:一般貸切旅客自動車運送事業者は、運行指示書を運行の終了の日から1年間保存しなければならない。

答:正

ここでは問の文章は正しいと判断できます。次の例文は誤りのパターンです。

問:一般貸切旅客自動車運送事業者は、運行指示書を運行を計画した日から1年間保存しなければならない。

答:誤

似たような文章ですが下記は誤りです。運行指示書を保存する機関の開始日は運行した日であった、運行を計画した日ではありません

このように文章が提示され、その内容が正しいか誤りかを判断する設問がほとんどです。問題の形式として「正しいものを2つ選べ」とか「誤っているものを1つ選べ」とあります。しかし問題の解き方から考えてみると文章が○か×かが問われているだけとわかります。

一つの問題にたいして文章が4つあり、それぞれに○と×をメモしていけば正解が導き出されます。問題の形式が多様にあるようにみえますが、基本的には文章が正しいか間違っているかを問われているのです。

そしてこの文章の正誤を問われる問題が運行管理者試験の大部分を締めます。さらに正誤の要点は過去問によって大部分がパターン化されています。ですから、過去問を知らずして法令とテキストを読み込んでも試験問題には程遠いということです。

穴埋め問題は定番文章のみ

運行管理者試験の穴埋め問題は法令の定型文のみとなっています。ですから自分で判断したり考えたりして解答をするのではなく、決まった定型文の穴埋め箇所を選択肢から選ぶ問題形式です。

穴埋め問題は定型文と決まった文章からしか出題されていません。過去問から穴埋め問題の文章を何度か読んでおけば、選択肢から選ぶだけですのでうろ覚えでも正解することができます。定型文を丸暗記する必要はなく、なんとなくでも覚えておけば穴埋め問題は対応できます。

計算問題は公式を覚えて自力で解く

試験の中でやっかいな問題が計算問題です。基本的には運行時間や速度を公式に当てはめて解いていきます。やたら難しい問題ではありませんが、質問の意図や計算をしていくと時間がかかる問題となっています。

文章問題のように覚えておけば簡単にわかるものではなく、知っていても時間をかけて解いていくしかないので効率が悪いともいえます。逆に考えれば時間をかけて理解すれば基礎知識だけでも正解できる問題でもあるのです。

パターンさえ覚えておけば正解できる文章問題と時間をかけて解いていく計算問題が同じ配点なのは注意する必要があります。しっかりと文章問題を解いていき、最後に計算問題を解くくらいの進め方が効率が良いです。

前から順に解いていき、計算問題を飛ばして文章問題と穴埋めを先に終わらせておくといいでしょう。計算が苦手な人は計算問題は捨てて、文章問題と穴埋めでカバーするのも試験対策としては有効です。

問題パターンは大きく分けて3つ

運行管理者試験の問題パターンはここまで説明させていただいた「文章問題」「穴埋め問題」「計算問題」の3つです。

問われ方や少し形式が違ったとしても基本的な部分は3つだけです。その中でも「文章問題」が一番配点が多く、点数を稼ぐには重要となっています。

「穴埋め問題」は決まった定型文からしか出題されませんので、過去問から定型文を読み込んでおけば大丈夫です。

「計算問題」はパターンで簡単に解ける問題ではありませんが、基礎知識だけでも正解できます。ただ問題数も少なく、配点割合も低いので重要度は最下位となっています。勉強時間が少ない人は捨て問題にする方法もあります。

「文章問題」と「穴埋め問題」は過去問からパターン化できますので、テキストを終わらせたら過去問をひたすら回すと合格に近づきます。計算問題は法令の基準を覚えておいて、実際の試験で頭を使って解くしかありません。

運行管理者試験の勉強方法は基本的に過去問を解いていく方法がベストとなっています。

過去問は最低過去3回分

運行管理者試験の勉強方法で重要なのが過去問をマスターすることです。どれくらい前まで過去問をやればいいのかですが、最低3回前まで、時間があれば5回前までがベストな勉強方法です。

それ以上前の過去問になると法令が変わっていたり、方針が変更されていたりと受験する試験と異なってくる場合があります。何十回分もさかのぼって過去問を解くより、直近3回から5回までを何回も解いていくほうが効率がいいです。

過去問はこのサイトの運行管理者試験の過去問にも掲載されています。このサイトの過去問はスマホでも閲覧できるように最適化されていますのでどうぞご活用ください。口論出版のサイトにも過去問がPDFで掲載されていますので、使いやすい方を選んで勉強してください。

合格のための正解配分

上記の目標正解数を足していくと下記のようになります。

分野目標制回数
道路運送法6問
道路運送車両法2問
道路交通法2問
労働基準法3問
実務上の知識及び能力5問
合計正解数18問

これで合格基準の18問をクリアして晴れて合格となります。優先順位をつけて勉強すれば勉強時間も短縮でき、仕事しながらでも合格することが可能となってきます。

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